「全てを受け入れてしまいたいと思う」、その気持ちに自らも同意するほどに傑出したαである恒吉は、今日もきっと完璧な一日を送ることになるはずだった。しかし、重要なプレゼンテーションの最中に突然Ωとしての発情期が訪れてしまった恒吉は、αたちばかりが集まる会議室中にフェロモンを放ち始めてしまいました…！？ 自宅のマンションに逃げ帰り、隣人の麻川に助けられましたが、βだと思っていた麻川が実はαであることを知った時、疼く身体を抑えることもできずに……。麻川に押し倒されながら、自分がΩであることを痛感する中で――。そして、麻川もまた突然変異のαであることを知り――。滝端が描く、突然変異をテーマにしたオメガバースのラブストーリーです！おまけの11ページ漫画も収録。
運命すらも呼吸をとめての作品情報
シリーズ名 : 運命すらも呼吸をとめて
作家 : 滝端
掲載誌・レーベル : gateauコミックス
出版社 : 一迅社
カテゴリー : ボーイズラブコミック
ページ数 : 218ページ
配信開始日 : 2022/06/15 00:00
運命すらも呼吸をとめてのレビュー
滝端先生の作品は、物語の展開と絵柄がとても魅力的です。他の作品もハッピーエンドながら、物語がどこか暗く、影のある主人公たちを描く手腕が際立っています。この作風は、滝端先生の優れた画力と相まって、物語に奥行きを持たせ、読後に満足感が溢れると感じられます。
特にオメガバースの作品が大好きな私にとって、滝端先生のオメガバース作品を読めることはとても嬉しいです。タイトルも魅力的で、突然変異によりΩとなった2人の物語が綴られています。
オメガバースの世界は性による階級社会が支配しており、優秀な?α?だった恒吉がΩに変異してからの苦悩や挫折が描かれています。恒吉の内面の葛藤がリアルで心に響き、麻川との出会いが彼を救う過程が情感豊かに描かれています。
麻川も突然α?になった経緯を持ち、周囲との関係が変化し、人間不信に陥ってしまいます。優秀な?α?からΩに転落したことで生じる心の歪みや人間関係の複雑さが、麻川のキャラクターに深みを与えています。
二人の運命が交わったことでお互いを救い合う姿が描かれたストーリーは非常に感動的でした。攻めの麻川と受けの恒吉の男らしい描写や、オメガバースにおける緊迫したシーンが特に魅力的で、二人の指輪交換のシーンなど、温かさを感じました。
続編があれば、二人の日常や子供の成長などをもっと楽しみたいです。オメガバースの新しいアプローチや美しい絵柄、色気満点の展開には、読者として引き込まれる要素が詰まっていました。
